そのウルトラセブンの話の中にロボットに支配される人類の話があります。
ダン隊員とソガ隊員の乗ったロケットが宇宙の中で、不時着したのがロボットに支配される人類で、ちょうど猿の惑星のロボット版といった感じでしょうか?
この話のオチとしては、自分が便利になるために様々な機械・ロボットを開発し利用していた人類が、いずれは支配されてしまう危険性がある!ということです。
その当時から考えれば遠い将来に起こる可能性があることを脚本化したのですが、現在の我々の生活を見回してみるとこの状況にかなり近づきつつあります。
先般出張の移動で当社役員と2人で車にて移動をしておりました。最近はどの車にもナヴィがついているので初めての道でも安心です。宮崎から熊本に向かう車中の話です。田舎の道なので一本道です。ナヴィはこのようにアナウンスしました『ここから27キロメートル先左方向です!』。これに対して私は反論しました(機械に!)。
なぜかと言うと明らかに私たちが向かう熊本は位置関係から言って右方向のはず…。機械も間違うのかな〜と私は考えておりました。いよいよ機械が示した地点が迫ってきます。その時です!ナヴィは直進と表示されているのに、道路標識は右を示しています。やはり!私の直感は正しかったのです。しかし運転手は何故か私よりもナヴィを信用して直進しようとしています。結局は私の指示通り右折したのですが、実はこの表示の件は、私もナヴィも正しかったのです。人間の感覚としては斜め右折になっていましたが、機械は斜め右折方向の道が本線なので直進と判断していたのです。
ここで問題は何かと言うと、運転手が機械に完全に支配されていて、そのままの感覚で直進していたら明らかにミスを犯していたということです。そしてそのミスを取り返すために数分、数十分の遅れが生じていたでしょう。
なぜこのようなことが起きたのでしょうか?それは自身でおおよその見当をつけずに、機械の指示を100%信じてしまったことが原因です。ある程度の予見がされれば1つの回答に疑問を持つはずです。しかし私たちはこの予見する力をだんだんと失っているのです。それが機械に支配された人間の姿です。
例えばあなたの自宅や携帯に、街角にある電話ボックス(最近見かけないけど)から電話できますか?おそらく既に手持ちの携帯にあらゆる番号が登録されて、電話番号を覚えるという技能を失ってしまった方が数多くいるのでは…。
また、私たちが経営支援している会計事務所さんや社労士事務所さんで、PCなしで業務処理をできる方がどのくらいいるでしょうか?こちらも昔電卓などで処理をしていた方は完全でなくともそのロジックは覚えているはず。しかしいきなりPCの業務アプリケーションで仕事を覚えた方はそのロジックを勉強するよりも、操作を先に勉強するので大きな誤りに気付かずに仕事を進めている場合があります。
それでは、私たちが機械に支配されるのではなく、機械を活用するために必要なこととは何でしょうか?
1.アナログを絶対に1度は体験してみること。すなわち、"ヒト"として重要な、見る、聴く、書く、話す、まとめることです。
2.結果を機械にゆだねる前に、おおよその見当を抱いた上で結果との検証を行う(これが先ほどのナヴィの件です)。いわゆる生活や仕事の中で"あたり"をつけるということです。
3.デジタル情報だけでなくアナログ情報の管理も並行して行う。例えばPCや携帯でスケジュールを管理している方がいたら必ず手帳やカレンダーでも手書きで情報管理をしてみることです。人間が"打つ"ことではなく"書く"ことを忘れないためです。"書けば"必ず体験できるのです。
4.機械は予備的に活用し、決してメインにしてはいけない。つまりアラーム機能に自身のスケジュールを支配されるのではなく、ヒューマンエラーとしての補完機能として機械のアラーム機能を利用することが重要です。
5、最後に1年間に数日で良いので、PC、携帯、ナヴィ、DVDなどから完全に離れてみることをお勧めします。正直最初は怖いです、不安です。でも慣れてくると元々私たちが持っている本能やエネルギーが活性化されるようで、より人間的な部分が取り戻せます。私は年間数回これを行っています。
機械に支配される人間になったら創造がなくなります。私たち人類が他の動植物と違って与えられた"創造"を捨ててしまった時、何もなくなってしまうでしょう。
機械に支配される事務所ではなく、機械を活用する事務所になりましょう!
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イプシロンコンサルティング 代表取締役 角田 達也
小田急線祖師谷大蔵駅前のウルトラマンです。
円谷プロがある駅です。
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