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マニュアルや手順書だけでは引き継げないノウハウ・スキル



式年遷宮と技術伝承・承継

イプシロン設立以来、日本中の支援事務所が一堂に会してノウハウの交換を行う、イプシロン特別企画 事務所見学研修が今年も予定されています。今年は10月11日(金)にアイクス税理士法人山陰支店様(鳥取県米子市)にて開催されます。

 そこで早速第1回目の打ち合わせをすべく5月10日(金)に米子へ出張に行きました。5月10日と言えばゴールデンウィーク明けで比較的空いていると思いきや、飛行機は満席、ホテルも一杯、しかも機種まで変更されていました。一体何が起きたのかと新聞を読むと、ちょうどこの5月10日に出雲大社の60年に一度の遷宮の遷座祭のスタート日だったのです。確かに飛行機の中も、経団連会長や見たことのある国会議員など数多く搭乗していました。米子は出雲からは車で1時間30分程度離れていますが、恐らく出雲空港やその周辺のホテルが一杯だったので人が流れてきたのでしょう。

 実はもっと有名な遷宮が今年あります。それは伊勢神宮の式年遷宮です(ご存知と思いますが‥式年遷宮とは一定期間で社殿を作りかえることを言います。ちなみに前述の出雲大社の遷宮では社殿の建て替えをしたのではなく、補修、修理を行っていました)。
伊勢神宮は実に62回目の式年遷宮と言いますから、62回×20年=1240年もの長きに渡り行われてきた行事です(但し、室町時代後期の戦乱で124年実施できなかった時代があるので、実質は1300年超になります)。

 皆さんはこの遷宮の目的をご存知ですか?ちょうど出雲大社の60年の一度の行事に当たったので何かの縁と感じていくつかの書物で調べてみました。すると様々な理由があるようです。例えば、弥生式の建築様式は老朽化が早く耐用年数が短いので20年に一度建て替える必要があるとか、神道特有の宗教感で神の新たな生命のよみがえりの為には定期的に一新する必要があるとか、新嘗祭に保存される穀物類の保存期間が20年であるとか書いてありました。
 一番なるほどと思う理由は、【建替えの技術の伝承を行うためには、当時の寿命や実働年数から考えて、20年間隔が適当とされたため。建築を実際に担う大工は、10歳代から20歳代で見習いと下働き、30歳代から40歳代で中堅から棟梁となり、50歳代以上は後見となる。このため、20年に一度の遷宮であれば、少なくとも2度は遷宮に携わることができ、2度の遷宮を経験すれば技術の伝承を行うことができるため】としたものでした(Wikipediaより)。

 何かこの文書を読んでいて、製販分離以前の会計事務所の教育訓練を想像してしまいました。昔の職人さんはそのノウハウ自体が自身の宝物であり、場合によっては一子相伝クラスのノウハウやスキルもあったからです。
神道の行事としてこのような神事を伝承していくことは文化的にも非常に価値があることですが、一方においてビジネスで見たら時代に合わなくなってきている部分が多々あれば是正するのは当然です。当社で進めている【製販分離経営】は、手順書/指示書/チェックリスト/カルテなどを活用して製造部分の作業を誰でもできるように分業していく方策を取っています。全国で多くの成功事例も出てきています。恐らく今後はさらに多くの士業事務所で採用されていくことになるでしょう。

 しかし一方でどうしても手順書や指示書などで引き継げない仕事もあるのも事実です。
【製販分離】と言うと全てのことをマニュアル通りに行って、同じ品質、同じ結果を追求するように思われがちですが、特に“販”(サービス提供)においては俗人性が多くの部分で残ってしまいます。逆にこの部分を誰でもできるようすることは価値の低下につながり、付加価値業務を非付加価値業務にしてしまいます。本来、俗人性が高く、高報酬を得ているサービスが標準化できてしまうことはあり得ず、仮にできてしまったら本来それは高付加価値業務ではなかったことになります。
 ここでポイントは、何が高付加価値業務で、何が標準化して分業化すべき業務なのかを認識することです。
プロが提供する“サービス”に関しては、恐らく真似はできても全く同じものは作りだせないでしょう。だからこそ価値があるのです。
だからと言って教育訓練やノウハウの引き継ぎをしない訳でありません。そのやり方を工夫すべきです。何故か“製”についてはOJTを行いますが“販”については行われません。今後俗人的サービスの価値を高め、一人でも多くのプロを育てたいならば是非とも以下の訓練・機会にチャレンジする必要があります。

 1.定期的OJTの繰り返し(式年遷宮で勉強させてもらいました)
 2.体で覚える(見る/聞く/触る/心の奥で感じる/真似する)(これも同様ですね)
 3.一回で止めないで継続すること(これも同様ですね)
 4.古い体質、やり方を見直す機会を定期的に作る(これも同様ですね)
 5.そして最後に、引き継ぐ人も引き継がれる人も、そのサービスの価値をきちんと認識することです
   (価値の引き継ぎ⇒決して安売りなどするべきものでないことを‥)

 1300年会社が続くかどうかは別にして、標準化/マニュアル化/分業化できない部分の継承も組織の重要事項として支援していくことを改めて感じる機会になりました。

 また、10月11日のアイクス山陰支店見学研修参加希望の方はお早めに交通・宿泊の手配をお済ませ下さい。60年に一度の遷座際に合わせて、10月は出雲地方では神在月となり非常に混雑が予想されるためです。恐らく60年に一度では、多くの方が生きている間に体験できないでしょうから事務所視察とともに参拝なされてはいかがですか?


*イプシロンでは業務標準化、サービス企画開発、情報セキュリティ管理対応策、WEBブランディングなどのコンサルティングを実施しています。詳細は各コンサルティングメニューをご覧下さい*

イプシロンコンサルティング 代表取締役 角田 達也

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久しぶりに鳥取砂丘に行きました。
posted by イプシロン |2013年05月31日|at 15:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | つのわ〜るど
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