会計事務所の皆様におかれましては一番の繁忙時期と存じます。今年は大雪が降ったり、急に暖かい日になったりと体調面では非常に厳しい早春となっていますが十分お体の管理には御注意下さい。以前は、私は確定申告時期が完全オフで十分な休暇も取れたのですが、最近では期限ぎりぎりまで確定申告を行う方が減ったのか、2月15日から3月15日の間でも個別支援が入っており思うような休暇も取れずじまいです。それでも何とか日程を調整して、秘湯で1年間の疲れを取っております!
さて、【製販分離】支援もかなりの件数をこなすようになってきて、最近特に依頼が多いのが、事務所の中期目標策定のお手伝いです。
【製販分離】とはあくまでも事務所の目標達成の為の手段であり、その目標自体の設定やスケジュール構築の支援も行っております。
目標設定支援を繰り返し行ううちに気付いた点、注意すべき点、スタッフのモチベーションがあがる目標設定のポイントなど今回はお伝えします。是非とも貴事務所の中期目標設定とも比較してみて下さい。
1.目標は客観的目標になっているか?
⇒単に目標を設定すれば良いというものではありません。各自の頭の中で想像することはバラバラです。ベクトルを合わせると言うことは、このバラバラをできる限り一緒のイメージに持って行くということです。そのためにベクトルを合わせやすい目標は客観的目標なのです。感覚的なもの、主体的なものでは今の若い方はついてきてくれません。
2.目標達成した後の業務体制の整備は予め考えられているか?
⇒客観的目標の代表格は【数値目標】ですが、数値目標を達成すると言うことは、その分だけの業務を誰かがこなすということです。スタッフの皆さんは数値目標の達成よりも誰がこなすか、どのようにこなすか、どこでこなすかと言う方に目が向きがちです。実際に現場業務を“回す”という視点で目標設定を検討し、不安を与えるような目標設定は避けましょう!
3.業務をこなす為のフォーメーション(組織と機能図)が明確になっているか?
⇒恐らく従来の仕事の仕方で中期数値目標を達成しても大きな利益を上げることは困難になります。そのためにも製販分離を進めて、分業推進⇒業務遂行手法の見直し⇒効率性と効果性の追求を求めることが必要です。そうなると従来の組織、機能では仕事は回らなくなります。そのためにも中期目標を達成した後の組織・機能図も発表して共有しておくことが重要です。
4.中期目標達成後のキャリアルートマップの明示
⇒同じ業務を数十年も継続して行いたい企業、個人の場合は別として、通常は中期目標を達成しながら組織や個人は“進化”して行きます。当然進化の先に自分はどうなる!若しくはどうなりたい!という明確なキャリアルートマップを用意しておかないと人財が所外に流出してしまう危険性が出てきます。若い世代が事務所の発展に継続的に寄与して頂くためにもキャリアルートマップは必要不可欠なツールです。中期目標設定と合わせてキャリアルートマップを策定しておきましょう!
5.中期目標に経営者の夢ではなく、組織の夢が書いてありますか?
⇒中期目標を取りまとめて行くうちにいつも気になるのが経営者の夢のまとめです。確かに中小企業においては組織の夢=経営者の夢に近い所がありますが、実際にその夢の実現に協力してくれるのが所員、社員の皆さんです。つまりあくまで個人の夢を中期目標に描いたとしても(経営者が思うほど)現場のスタッフのモチベーションは上がっていません。逆に経営者の夢を達成するために、さらなる残業、休日出勤、勉強を強いられると考え、モチベーションダウンになってしまう方もいます。
製販分離を進める上で重要な中期目標は、経営者の夢を描くだけでなく、その目標が達成できたときのスタッフの夢(メリット、効果、達成感など)の実現を前面に出して、目標共有を図る必要があるのです。
経営者の自己満足の夢を何の見返りもなくサポートしてくれるスタッフなど数少ないのです。同じ夢を見ることができれば良いのですが、経営者と従業員の間には大きな溝があるのも事実です。だからこそ経営者は“組織の夢”を描いて、共有して、実践して、社員と共に進捗度を継続的に図る必要があるのです。
1.客観的目標⇒2.業務遂行における役割の明確化⇒3.組織・機能図の明確化⇒4.キャリアルートの明確化⇒5.製販分離の推進で適切なスタッフ評価を行う そのためにも目標達成のおけるメリットをわかりやすく、明確に文章に落とし込んで発表してあげて下さい。それだけで製販分離完成に向けたスピードはあがりますよ!
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イプシロンコンサルティング 代表取締役 角田 達也